エージェント・オレンジ2017年10月31日 14:53

昨日、近くにできたベトナム料理店で、フォーを食べてきました。昔から好きで、新しい店を見つけると食べに行きます。米粉でできた細いうどんです。

さて、今日のテーマです。

「エージェント・オレンジ」って何でしょう。

どこかの国のスパイのことでしょうか。

違います。

ベトナム戦争のときに、アメリカ軍が撒いたダイオキシン薬剤の総称です。枯葉剤作戦です。
枯葉剤を空中より広く散布して、ベトナムの土地に作物が育たないように、全土を不毛の地にしようとしたのです。

ダイオキシンという有毒物質は、人体に大きな影響があることが知られていますね。実際に、ベトナムにおける散布地域において、多くの民間人に、薬剤の影響と考えられるような特有の疾病や新生児の奇形が多発しました。

筆者は、以前、エージェント・オレンジ事件という大規模なクラスアクションを研究したことがあります。アメリカ国内で生じた集団訴訟です。従軍した米国市民やベトナムを含む多くの国々からの被害者が原告となりました。アメリカの大規模クラスアクションというのは、日本では考えられないような膨大な人数の原告を包摂するものです。いずれ紹介したいと思います。

話を元に戻します。

シャム双生児として産まれた、ベトちゃんとドクちゃんの話を覚えていますか?若い人は知らないかもしれません。

戦後に生まれたベトナム人の2人を、何とか、普通の生活ができるようにしてあげたい。

日本の病院で、2人を切り離す手術をしたのです。1人は自立して生活ができるようになったのですが、もう1人はうまくいきませんでした。

ベトナム戦争というのは、社会主義を標榜するで北ベトナム政府と資本主義政府である南ベトナムの統一戦争です。本来内戦であったものですが、諸外国の介入を受けました。特に、アメリカが軍隊を送り込んで、本格的な介入を行ったことは有名ですね。結局、北ベトナムが最終的に勝利し、統一されたベトナムは社会主義国です。

アメリカが戦争で負けた。不敗神話が壊れたアメリカの社会にとって、ベトナムが大きな心の傷となりました。それが多くの映画を生み出した原因でしょう。アメリカ国内に多くの退役軍人・傷痍軍人が現在も暮らしています。その人々がアメリカ社会の痛みの象徴なのです。

社会主義国は、実際に、非常に多くの人にとって生活に困らない、競争のない平等な社会を実現した側面もあるようです。ロシアやドイツの、社会主義を標榜する政党(極左とも呼ばれる)が一定の支持を受けているのは、その時代の方がましだったと感じる貧しい人々がいることを示しています。しかし、同時に、社会主義を維持するための、社会統制の側面が問題となります。高度に国家管理され、言論の自由が封殺される。結局、官僚主義国家として、一部の者に利権が集中した。競争のない社会に、技術的、社会的なイノベーションが起こりにくい。もっとも、そういう豊かさを求めるべきかについて、議論の余地はあるでしょう。

ベトナムは、先に述べたように社会主義国ですが、どうやら経済は解放的であるようです。資本主義国の援助・投資を積極的に受け入れ、経済開発を進めています。日本企業も、中国、インドネシア、タイに次いで、ベトナムに進出している例があります。将来有望な市場として、あるいは製造拠点として。また、少子高齢化社会である日本が、ベトナムから多くの人を労働力として受け入れています。勤勉で真面目な国民性は、昔の日本人を思い出させるようです。

ところで、ベトナム戦争は、何度も映画化されています。ハリウッドの好む題材の一つでした。
筆者のお勧めは、プラトーン、フルメタル・ジャケット、そして帰郷です。帰郷は、1978年のアメリカ映画の方です。ジェーン・フォンダが主演です(個人的好みですが、この映画のジェーン・フォンダはとても良いです。)。

くどいようですが、筆者は、反共、反中国、あるいは反米というような、教条主義的な思考様式を持っていません。ヘイト・スピーチで無い限り、民族主義的主張も、言論の自由の範囲内で許されると言うべきです(筆者が民族主義に反対ですが)。以上は是非とも前提して下さい。

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