移民政策2 ― 2017年11月26日 02:00
日本は、少子高齢化がますます進み、本格的な人口減少社会に突入したと言われています。
特に、年金・社会保障を支える労働人口の減少が深刻です。
各種の予測によると、日本全体の生産性に関わるほどの重大な労働力不足です。
保育所を作って、子育てと仕事の両立ができるようする。女性と高齢者の労働力を活用すると言います。日本は専業主婦層の労働力も調達して、何とかやりくりする国になりました。年金受給年齢になったら老後を楽しもうというのももはや夢でしょうか。
また、ロボットの活用も考えられます。近未来の日本は、ロボットだらけの国になるのでしょうか。
仮に、少子化対策が成功して今の日本人の若者が多少増加したとして、必要な単純労働力の不足が補えるとも思えません。
運送、流通、製造の各部門で人出が足りません。外食作業やコンビニなどでは外国人留学生で何とか首が繋がっています。
もっと深刻なのは、地方の地場産業を支える人材の不足です。更に、日本の農林水産業の全般に渉り労働力が足りません。農村の高齢化が社会問題化して久しいです。林業も漁業も後継者がなかなか見つかりません。
村が無くなる、地方の自治体が消滅する現実の危機が迫っているのです。
このマイナスを補う切り札が外国人労働者であることはもう誰もが認めてはいます。それでも受入れを躊躇するのは、前述した初期投資とその失敗を恐れるためでしょうか。特に、社会統合の失敗が心配なのでしょうか。あるいは、日本のむら社会に特有のよそ者に対する警戒心なのでしょうか。
単純労働に分類されませんが、看護士・介護士の慢性的な人手不足があります。看護士や介護士については、インドネシア・フィリピン・ベトナムの3カ国とのEPAの中で日本が受入れを約束し、現実に受け入れています。但し、看護士は3年以内に日本の国家試験に合格しないと、継続して日本に定住できません。
母国で看護士資格を取得しているとしても、3年内に日本語を習得し、漢字仮名交じり文の国家試験に合格するというのは極めて厳しい条件ですね。ほとんど合格者が無かったそうです。近年ようやく、漢字にルビを振ることにしました。母国語による試験やローマ字表記の試験は要望があっても認めていません。
ちなみに、来年より新たな外国人在留資格として、介護職資格を創設します。これも一定年限以内に、介護福祉士試験に合格しないといけないようです。この資格創設によって、介護士については、3カ国以外の国々からの外国人移民を受け入れ可能となります。
土地が空いているなら、余所から人に来て貰う。
高度人材外国人の獲得競争に日本が勝てない理由は、言葉の問題以外にも、法や制度に存在する見えない外国人に対する参入障壁が存在するからかもしれません。単純労働を受け入れる度量こそ、このような障壁に気づくきっかけとなるでしょう。
マイナスを補うだけではありません。日本は、古来より外国人の持ってきた文化を受容し、伝統との融合により、日本の文化が発展したという歴史を有します。
多様性を許容し、共生することによる融合が新たな文化の創造・発展に通じます。多文化共生社会はまた、社会を進展させるイノベーションの媒体ともなり得ます。
ここで更に、持論を述べます。
日本が長く移民排斥主義であったのは、広域的なアジア地域において、日本だけが繁栄すれば良い、豊かになれば良いという独善が支配していたからではないでしょうか。
こんなに金持ちの国が、この地域において果たす役割を再認識するべきであるように思われます。
何もカネだけの問題ではありません。円借款やノウハウを与えて、その国の経済開発を促すことは随分して来たかもしれない。それでけではなく、この地域の貧困を多少なりとも分け持つという意識があったでしょうか。移民の受け入れは、そのような国際貢献でもあります。その意識こそが、国家連合の形成に通じる礎となるでしょう。
EUの経験と重なるところがありますが、ある意味で反面教師とすることが可能です。
相手が本当に困っている事について、自分も大変だけれども手を貸してあげる隣組みを、東アジアを含む広域的な世界的地域において形成するリーダーシップを、日本が担う心構えをする時期に来ていると思います。そして、この地域全体が発展し、その一員として日本もその恩恵に浴するのです。繰り返しますが、そのためには、カネだけでは足りません。
移民の受け入れがそんなに容易いことであるとは言いません。前述したように社会的、経済的な負担がとても大きいです。しかし、将来の日本のためには、ここに暮らす人々のために、今現在の困難を引き受ける勇気を持つことと、着実な計画が喫緊の課題です。それがわが国の長期的利益に適うのです。
コメント
トラックバック
このエントリのトラックバックURL: http://shosuke.asablo.jp/blog/2017/11/26/8734560/tb
※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。



コメントをどうぞ
※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。
※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。